いぬ と たんぽぽ(物語)

2022年08月30日

いぬ と たんぽぽ


ある公園に犬がいました。犬は自分のことを、強く賢いと思っていました。

犬が公園を散歩していると、たんぽぽを見つけました。たんぽぽは小さく、目立たない存在でした。
犬はたんぽぽに『きみはただ、咲いているだけ。僕は色んなことが出来るんだよ!』と言いました。
たんぽぽは、ただ『そう。』とだけ言いました。

犬はたんぽぽに、犬がスゴいと言わせたくなりました。
そこで、猫に襲われている小鳥を見つけ、吠えて猫を追っ払ってあげました。
犬はたんぽぽに『小鳥を助けてあげたよ!』と言いました。たんぽぽは、また、『そう。』とだけ言いました。

別の日、犬はまた、たんぽぽの所へいきました。公園には迷子のウサギがいました。犬は素早く走っていって、ウサギのママを見つけてあげました。
犬はたんぽぽに『ウサギを助けてあげたよ!』と言いました。たんぽぽは、また、『そう。』とだけ言いました。

それから何度も犬は、たんぽぽの所へ行き、カッコいい所を見せました。でもたんぽぽはいつも『そう』としか言いませんでした。

何日も暑い日が続いていました。

犬はまた、たんぽぽのところへ行きました。
犬はたんぽぽを見てビックリしました!たんぽぽは、水が飲めず、枯れかけていました。

犬は一生懸命、水を探してたんぽぽの所へ運ぼうとしました。でも犬の手では水はうまく汲めませんでした。犬はたんぽぽが死んでしまうと思い、ポロポロ泣きました。

そんな様子を見ていた小鳥が、仲間の小鳥と一緒にバケツに入った水を運んできました。バケツに入った水を飲んで、たんぽぽは元気になりました。
犬は『小鳥さん、ありがとう!』と言いました。小鳥は『以前、助けていただいたお礼です』と言いました。

犬はあることに気付きました。
たんぽぽが自分の中での大切な存在になっていること。たんぽぽに会う前よりもずっと、自分の事好きだなって思える自分になっていたこと。

そして、助けてくれる仲間が出来ていたこと。


犬はたんぽぽに『君のことが大切だよ』と言いました。たんぽぽは、『そう。』と静かに微笑みました。


この物語は、私が寝る前に次女に即興で作って話したお話です。あーちゃんから教わったことの1つです。忘れそうなのでメモ代わりに😁いつも優しく大事なことを教えてくれるあーちゃん。これからもずっと大切にしていきます。